ミニ新幹線という言葉を聞いたことがりますか?JR東日本には、新幹線も在来線(山手線のような普通の電車が走る線路)も走ることができる車両が存在します。今回は、そんな車両を紹介したいと思います!
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目次
1,新幹線・在来線
JRの路線は、在来線と新幹線の二つの路線に大別することができます。在来線と新幹線では、線路幅や流れる電圧、車両の大きさも異なってきます。つまり、基本的に在来線を走る車両が新幹線を走ること、反対に新幹線の車両が在来線を走ることは出来ません。しかし、山形新幹線を走るE3系・E8系新幹線「つばさ」と、秋田新幹線を走るE6系新幹線「こまち」は例外的に両線路を走ることが可能です。一般的に、新幹線の線路を新たに作ることは費用面などにおいてとても大変です。そこで、既存の在来線を生かしつつ、途中駅で既存の新幹線に乗り入れることで、費用を抑えながらも速度の向上に結び付けることができました。しかし、前述したように、在来線と新幹線の線路幅などは違うため、既存の在来線を新幹線の車両が走ることができるよう線路や車両自体を作り直す必要がありました。このように様々な知恵と努力により、在来線と新幹線を走るミニ新幹線が誕生しました。
2,ミニ新幹線の特徴
ここからは、ミニ新幹線と言われる3つの新幹線車両を紹介します。大きさは新幹線のみを走る車両より、在来線のみを走る車両の方が小さいため、両者を走ることができる車両は新幹線専用車両よりも小さく設計されています。そのため、新幹線停車駅では、ホームと車両の間に大きな幅が生じる時があり、その際、車両からスッテップが登場し、乗客が安全に乗降できるように配慮されています。ちなみに、このステップは、飛行機のタイヤのように、車両が駅に到着すると自動で降下し、駅発車後に自動的に格納されます。残念ながら車両に乗っていると見ることができないので、駅で車両を見学する時に着目してみましょう。また、踏切を新幹線が通る(一般的な新幹線は高架を走行するため、在来線のような踏切がない)、座席の幅が多少狭いなどミニ新幹線ならではの特徴を楽しむことができます。
(photoAC)
3,山形新幹線(E3系・E8系)
山形新幹線は、東京⇔福島は新幹線を、福島⇔山形⇔新庄は在来線を走行します。現在は、E3系車両が運用中ですが、2024年3月16日からは、新型車両のE8系車両が導入され、より快適な移動が出来るだけでなく、車両の最高速度も300km/hと大幅に向上します。また、2014年から2022年までの間、E3系を改造し、車内で足湯が楽しめるとれいゆつばさが期間限定で運行されていました。
①E3系新塗装編成
(photoAC)
②E3系旧塗装編成(通称:銀つば)
(photoAC)
③E8系新編成
(photoAC)
④E3系とれいゆつばさ編成
(photoAC)
4,秋田新幹線(E6系)
秋田新幹線は、東京⇔盛岡は新幹線を、盛岡⇔大曲⇔秋田は在来線を走行します。現在は、E6系新幹線が運用中です。2013年にデビューした車両で比較的新型です。在来線内は、130km/hですが、新幹線内では、東北新幹線速達タイプのE5系・H5系新幹線「はやぶさ」と連結し、最高時速320㎞/hで走行します。
①E6系編成
(photoAC)
5,乗車記①(山形新幹線)
つばさ137号(福島→新庄)※2023年6月18日(日)乗車
つばさは全車指定席で乗車には、乗車券の他に指定席特急券が必要です。例外として、福島⇔新庄間は、特定特急券を購入すれば、普通車の空いている席に座ることができます。(指定席券を持っている方がいらっしゃったらその方に席を譲る必要があります)特定特急券は、指定席券売機もしくは、駅のみどりの窓口等で購入できます。値段は指定席特急券の530円引きです。
①福島駅出発後
福島では、連結していたE2系車両との切り離し作業が行われます。作業終了後、福島を出発すると、長く曲がったスロープを下り在来線に入ります。
走行中は、山道を切り開きながら走行します。そのため、カーブが多いのが特徴です。しかし、車両はカーブの揺れを吸収しながら走行するため快適です。また車内販売の営業もあるので安心です。
②峠駅
山形新幹線つばさは停車しませんが、途中駅に峠駅があります。ここでは、峠の力餅と言われる有名な餅を販売しているお店があります。かつては、同駅に列車がスイッチバック(列車が急勾配を登る際、一度に登るのではなく、進行方向を変えながらジグザク状に登ること)をするための設備が備えられており、賑わいがありました。現在、スイッチバックは廃止されましたが、駅近くにある茶屋の方が電車到着に合わせてホーム状から立ち売りしています。令和の時代にこのような姿を見ることができるのは大変貴重です。メール等で事前予約を行なっているそうなので最新情報は、公式サイトより確認してください。車でも行くことが出来ますが、列車で行くからこそ味わえる魅力もあるのではないでしょうか。スイッチバックの施設見学と合わせて楽しめそうですね。
(photoAC)
③さくらんぼ東根駅
つばさ号の一部が停車する駅にさくらんぼ東根駅があります。同駅がある東根市は、さくらんぼの収穫量が日本一です。実際に車内からは、さくらんぼを育てている施設を眺めることができます。
(photoAC )
④新庄駅
終点・新庄駅の山形新幹線用ホームは行き止まり式の構造になっています。駅前には商店が立ち並び、市民の交流施設が隣接しています。また、同駅内には、在来線から「新幹線eチケットサービス」と「タッチでGo!新幹線」を利用する方向けにホーム上に一台だけ自動改札機が設置されています。
6,乗車記②(秋田新幹線)
こまち308号東京(12時20分)→秋田(16時03分)※2024年3月8日乗車
こまち号もつばさ号と同じく、全車指定席です。乗車の際は、指定席特急券が必要で、例外として、在来線区間を走行する盛岡⇄秋田間は、特定特急券を購入すれば、車内の空席に乗車出来ます。
今回は、JR東日本が期間限定で発売していたキュンパスの利用可能期間であったためか、全車満席でした。今後も似たようなきっぷが発売されると思うので以下の記事を参考にしてみてください。
盛岡では、東京から連結していたE5系・H5系車両との切り離し作業が行われます。残念ながらこまち号が切り離しと同時に先に出発するため、作業の様子を見ることは出来ません。ホーム上には、同作業を見学する多くの人がいます。
①盛岡駅出発後
盛岡出発後は、新幹線から在来線区間に移り、急に速度が下がるのと同時に、景色も様変わりします。特に、山々の間を駆け抜けながらまた、踏切を走行する様子は日頃、通常の新幹線に乗り慣れていると尚更、新鮮に感じます。
②大曲駅
大曲駅発車後は、進行方向が変わります。大曲駅が行き止まりになっている構造上、駅出発後、座席は、進行方向に対して逆向きのまま、終点の秋田に向かいます。車内放送では、座席の下についているペダルを踏むことで、座席の向きが変えられると案内していましたが、終点の秋田まで短時間であるためか、ほとんどの乗客はそのまま座っていました。ちなみに、秋田発の場合、大曲で進行方向が変わることを見越して、進行方向逆向きに座席が向いた状態で、秋田を発車します。
③秋田駅
終点・秋田駅は、秋田新幹線用のホームが設置されていて、タイミングによっては、両ホームからE6系車両を眺めることが出来ます。
最後までご覧いただきありがとうございました。